26.09.09
Sebastian Bergne

Editor
Ben Davis (The White Paper)
Photography
Alex Griffiths, Ruth Ward

「自然に一歩近づく」という考えは、Ha’にとって最初のプロダクトである、果実や楽器から着想を得た花器にはじまり、今も変わらずブランドの核にある。
Huskは、デザイナーのSebastian Bergneが再び植物の世界へと立ち返り手がけた、新しいプランターシリーズ。植物とともに暮らすための、現代の住まいに寄り添うプロダクトだ。そのかたちや素材、サイズには、どのような考えが込められているのか。Huskシリーズのデザインと開発の背景について、彼に話を聞いた。

Ha' のデザイン哲学について聞かせてください。

目指しているのは、自然に触れるきっかけとなるプロダクトをつくること。日本の伝統的な文脈から生まれたものを、現代的でグローバルな感覚をもつ人々のもとへ届けることです。無駄がなく、機能的で、良質な素材を使って丁寧につくられ、長く使える。だからこそ美しい。そう考えています。

新しい Husk プランターは、どこから始まったのでしょうか。

このシリーズが掲げたのは、とてもシンプルな目標でした。時間が経つほどに使いやすさが感じられる、質のよい住まいのための鉢。植物の成長と、現代の暮らしの空間、その両方の変化を見据えたかたちを考えました。

プランターとコルクトレイを、いま手がけようと思われた理由は。

Ha' の最初のシリーズは、花器のファミリーでした。次に生まれたのが、抹茶と茶のための Horizon シリーズ。その流れのなかで、室内の植物へと立ち返ることは、ごく自然なことに思えたのです。植物を家で楽しむための、より持続可能なあり方。そうして生まれたのが、新しい Husk シリーズでした。

トレイのきっかけは、ポルトガルで持続可能なコルク製品を手がける、優れたつくり手との出会いです。素材の質と職人の手仕事に心を動かされ、茶の時間に寄り添うトレイをつくることにしました。コルクは、丈夫な陶磁器と、傷つきやすい住まいの表面とのあいだで、理想的な緩衝材にもなってくれます。

かたち、サイズ、色、素材は、どのような考えのもとに決められたのでしょう。

Ha' のプロダクトはすべて、実用的であること、そしてブランドの故郷である波佐見の素材と技術によってつくられること。私はそれを何より大切にしています。サイズは、植物を買ってきたときの大きさと、その一年後の姿を想定して決めました。色と仕上げについては、自然を感じさせる現代の住まいに、そして Ha' のプロダクト全体になじむものであることが条件でした。

試行錯誤のなかで、デザインはどのように磨かれていったのですか。

私はいつも、実用上の制約と、その製品が使われつづける歳月のなかで求められることを見極めるところから始めます。今回はまず、植物が売られるときの標準的なサイズと、すでに広く親しまれている鉢のかたちを調べました。そのうえで、そこに少しだけ新しい何かを差し出せないかを探っていく。あとは、デザインし、試作し、検証し、調整する。デザインとしても、製造としても、市場においても成り立つものになるまで、その繰り返しです。

どのように使われることを想定していますか。

私たちのプロダクトにはどれも明確な用途がありますが、シンプルな器の使い方は、自由に工夫していいとも思っています。茶碗でコーヒーを飲む、花器にペンを立てる。それはささやかな創造の行為であり、人間の自然な姿だと思うのです。

チジック・ハウスの庭師たちは、どのような役割を果たしたのでしょう。

私のスタジオは今、チジック・ハウスの裏手にあるヴィクトリア朝時代の厩舎にあります。すぐ隣には見事なキッチンガーデンが広がり、私自身も、日々働く庭師やボランティア、アーティストたちのコミュニティの一員です。ですから、プロの庭師たちにデザイン案を見てもらうのは、ごく自然なことでした。返ってきたのは「悪くないね」という、実に控えめな、イギリス特有の褒め言葉でした。

Ha' のテーマは、あなたにとってどのような意味をもちますか。

「One step closer to nature ― 自然へ、一歩近づく」。それは、どこでどのように暮らしていても、Ha' のプロダクトを通して、自然のさまざまな側面を楽しみ、敬うことから得られる豊かさに、一歩近づけるということです。

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